2024.04.25. | 

[Vol.3]なんか良いことしませんか?

人や地球にやさしい場づくりをするためのニュースタンダードなアプローチを。合同会社こたつの安藤さんの想いからはじまった『FARM SPOT』。Vol.3となる今回は、インタビューをしながらずっと筆者が気になっていた「このプロジェクトに対する皆さんの原動力」についてお話を伺いました。

“なんか”良いことをしたいっていう気持ち。
このカルチャーを次の世代に繋ぎたい。

−−このプロジェクトへ向き合う姿勢や想いが、インタビューを通してすごく伝わってきました。最後に皆さんにお聞きします。このプロジェクトにおける皆さんの原動力って何ですか?

 

安藤さん:僕でいえば、「なんか良いこと」をしたいっていう気持ちが大きいですね。自分が今の年齢になって、純粋に世の中のために良いことをしたいっていう想いがありました。『FARM SPOT』はサービスと言わず、アプローチって表現しているんです。「なんか良いことしません?」って『FARM SPOT』のことを伝えると、関心をもってくれる方もいる。深刻に問題定義をして伝えるよりも、「良いことしたい」って思ってる人を仲間にしながら大きな環境問題などに対して、僕らなりのアプローチで一緒にやりたいっていう感覚なんです。ゆくゆくはこれでみんながご飯を食べれるってなると、夢がありませんか?笑
それがいつかカルチャーになって後継者もでてくる。こういったアプローチを自分たちの世代だけで終わらせてはいけないと思っているので、これからの宿題ではありますが、ここにいる全員がこれでご飯が食べれるようになることや、次の世代にも繋いでいきたいっていう想いも原動力になっているんだと思います。

 

愛敬さん:安藤さんにほとんど言われちゃいました!笑
僕は長かったサラリーマン人生をやめて、やりたかった農業をやったんです。みなさんの食を支える一次産業ではありますが、それとプラスアルファで意義のあること“なんか良いこと”をやりたいっていう想いが僕にもあったんですよね。このプロジェクトに参画する前ですが、それは何かって考えて辿り着いたのが、生ごみを堆肥化して、その堆肥で野菜を作るっていう循環で農業をすることだったんです。それで可能性を広げていろんなことがやれたらと思っていた未来の状況が、実は今の状況なんですよね。だから原動力はやっぱり「なんか良いことをしたかった」っていう事になりますね!

 

コンポストを知る、循環についてもっと考える。
誰かがコンポストを知るきっかけをつくりたい。

山道さん:私はコンポストの仕組みを理解したいというのがモチベーションにあって、愛敬さんから学ばせていただけるのは、本当にありがたいですね。コンポストの実践者の中では自分のやり方はあるものの、他の人のケースのことはわからないことも多いようで。あまり原理原則が体系化されていなかったりするんですよね。だから知りたいと思って質問をしても、人それぞれの見解で、自分にどう活かせるのかわからないことも多くて。愛敬さんは、疑問をぶつけてみるとちゃんと本質的な答えを返してくれるんですよ。もう一つは建設業に関わる身としての想いがあります。時代の流れと共に建設業は左右されるジャンルです。地面の上に何かを立てるという依頼を受けたときの出力を建物をつくる以外の目的として、循環というテーマに割合を持っていきたいなと思っています。この『FARM SPOT』はまさに循環がキーワードですから、これも原動力になっていると思いますね。

 

木原さん:もともと循環やつながりというものには興味がありました。設計は役割分担で線だけを引くというのが設計者とされるけど、それだけじゃないと私は思っていて、プロセスだったり、実際に手を動かしていく前後の繋がりにも関わりたいという興味もあります。今回のコンポストは身近な資源の繋がりを知るきっかけをくれるもので、私自身このテーマは設計者としてだけではなくて、一人の人間として考えるべきテーマだと思ったんです。私は、このコンポストというテーマ自体とモノや人の循環やつながりの仕組みを一緒に考えませんか?というプロジェクト自体がモチベーションになっています。

 

川田さん:このプロジェクトに参加する前にも、コンポストというワードが身近にありました。「何かいいことなんだろうなぁ」くらいの印象は持っていたのですが、実際に調べてみると、いろんな情報がありすぎてよくわからず。でも愛敬さんに出会って、調べる中で出てきた疑問やコンポストの仕組みについて詳しく教えていただいたので今の私にとっては、以前よりも身近な存在にになりました。仕事として関わらせていただくことで、調べたり、実験したり、観察したり、、ここ最近ずっとコンポストとコミュニケーションをとっています!笑 きっと以前の私みたいに、コンポストはいいものだけど、よくわからないって立ち止まっている人も多いんじゃないかと思います。私の原動力はこのプロジェクトで、そんな人達の後押しをするデザインを考えてみたいということかもしれないですね。

 

全てのプロセスがコミュニケーション。
良いことも、バグも受け入れて循環させていこう。

小野:もう皆さんに自分が言おうとしたことをほとんどいわれてしまったので、最後にプロジェクトについての僕のテーマという視点で一言お伝えさせていただくと、この『FARM SPOT』は事業としての“サービス”をガチガチに固めてスタートしている訳ではなく、考えて形を作る前に動かすっていう新しさのあるやり方で進めています。だから、これから先進めていく中で、いろんな穴も出てきて、いろんな方から様々な意見やアドバイスをいただくと思います。でも、その穴を一つ一つ埋めていくというのがこのプロジェクトを進めていく上でのテーマとしてあって、活動体に近いものだと思ってます。全てのプロセスがコミュニケーション、良いことも、悪いこともひっくるめてコミュニケーションを循環させていきたいと思っていますので、宜しくお願いします!

 

皆さんの想いを浴び続けた筆者は取材後、生ごみを見ると「これは堆肥になるのか、コンポストの容器があればゴミにならないんだなぁ。」と小さな一歩ではあるものの、コンポスト、循環について考えるきっかけをもらいました。コンポストはいいことだと思うけど、良くわからない。そんな風に思っている人も多いのではないでしょうか?筆者もその一人でした。でも、なんか良いことをしたい人たちが推しているコンポストの可能性が広がっているのは確か。“なんか良いことをしたい”そんな風に思う気持ちがあるだけで、自分が変わり、社会を変える、コンポストと関わる“きっかけ”になるかもしれませんね。今回の記事ではコンポストの専門的な内容はお届けできていませんが、今後の『FARM SPOT』の活動と一緒にお届けしていきますので、お楽しみに!

 

– Information –
FARM SPOT

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

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