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Food Experience Story
2024.06.21. | 

[Vol.1]八ヶ岳生とうもろこしができるまで。意外と知らないハマラノーエンの想いと歴史。

Mo:take MAGAZINEでお馴染みのとうもろこし農家といえば・・・そう、しゃべれる農家ハマラノーエンです!そんな彼らが2023年7月に新しい農園のカタチとしてオープンしたのが体感型農園『ハマラハウス』。大型ビニールハウスの中で過ごしたり、買い物したり、外では収穫体験、風鈴の音が懐かしい縁側でモロコシ畑の先に広がる八ヶ岳をみながら、もぎたてにかぶりつく!そんな無邪気な夏の思い出を作ってくれた23年の夏。あれから1年、24年のハマラハウスは7月20日から開園です!

クラファンで農作物を作る畑から、想い出を一緒に創る畑へ。

昨年は編集部も現地にお邪魔しましたが、連日行列必至で八ヶ岳生とうもろこしを購入するのも一苦労するほど大賑わい。メディアで彼らの活躍っぷりを知った人も多いのではないでしょうか?そんな彼らが、この夏初めてクラウドファンディングに挑戦しています。みんなにとっての第2故郷となるような場を、みんなと一緒に創りたいというのがプロジェクトの背景で、そのためにハマラハウスの体験コンテンツを増やすというのが今回の目的だそうです。

ハマラハウスがさらにパワーアップする?その真相を探るべくクラウドファンディングに向けての想いをハマラノーエンを立ち上げた、折井さんと柳沢さんの二人にきいてみると「ココにこれまでのこと、想いのたけを綴りました!笑 ぜひクラファンのページものぞいてみてください!」と送られてきたリンク。早速プロジェクトページのリンクを早速開いてみると、そこにはこれまでの取材では語られてこなかった生々しいエピソードや彼らの思いがびっしりと綴られていました。

これに突き動かされて、一人でも多くの人に彼らのことを届けたい!と思った編集部は悩みました。その結果、今回は下手に編集せず、その内容を引用する形でお届けするという結論にいたりました!これでハマラを予習しておけば、今年の夏がまたさらに特別になるはず!それではハマラの世界を早速のぞいてみましょう!

 

ハマラノーエンの想い:共同代表・折井祐介(左)

はじめまして、ハマラノーエン共同代表の折井です。ハマラノーエンは、私と幼馴染の柳沢(右)の二人で始めた共同農園の名前です。今では農園ブランドにもなっていますが、元々はHAMARA FARMという名前で、私たちの地元長野県諏訪郡原村(はらむら)から、日本には無いような農業をしようと友達同士で始めました。その聞き覚えのない「HAMARA」という言葉は、自分たちが出身の村「原村」の原「HARA」と、そこに原村の仲間で始めたという意味で、HARAのあいだに「MA」(→なかま)を足して作った造語です。昨年、農園名を「ハマラノーエン」に一新、日本固有のカタカナで農園を「ノーエン」とすることで、本当に表現したい本来の日本の素晴らしさと、物事に捉われないこれからの農業の在り方を表現をしようと考えて改名しました。

 

自分らしさの発見、新しい感動体験ができる場づくりをしたい。

農家だけでなく会社員時代に営業マンとしての経験をもつ私たちには、ただの農体験だけでなくアグリカルチャー(農の文化)を感じてもらえるよう双方の視点で働きかけて、ここに訪れる大人も子供も一緒になって素直に自然を楽しんだり感じたり、本気で考えたり出来る場を作りたいという想いがあります。昨年も有難いことに多くのお客様から喜びや感動の声をお寄せいただいたのですが、私たちが取り組む新しい農業なら、もっとやれることがあるはず、、、という考えも拭いきれません。そこで“誰でも自由に自分らしく過ごせる場づくりがしたい”そんな想いで始めた『ハマラハウス』の体験コンテンツを拡充することで、これまで以上に新たな農を感じられる場所となり、自分らしさの発見や新しい感動体験ができる場となる。そして、八ヶ岳地域の魅力とともに農の魅力を全国に伝えていけると考えました。このクラファンは、それを実現するためにはじめました。

 

エピソード1:はじまり
幼なじみと始めた農園ハマラノーエン。

もともと普通の会社員だった二人(折井、柳沢)は、それぞれ違う会社の営業マンとして、様々な現実社会を生きていました。そんな中、地元八ヶ岳高原の素晴らしさに気付き、いつしか地元の魅力を引き立たせる仕事がしたいと思うようになり、その方法を模索する中、“地元の主産業である農業なら、魅力を引き立てて地域活性化もできるのではないか”という一つの可能性に辿り着きました。そんな想いで農作業の手伝いなどを続けていたある日、一大発起して二人同時に農家になりました。営業畑出身の私たちは「会って、話をして、ちゃんと知ってもらう」というアナログな対面販売方法で、作っては自分で伝えて売る、そんな農業を十数年続けています。そこで出会った多くの方々のおかげで、年々少しずつ仲間や地域の広がりが続き、いつの間にか昨シーズンでは八ヶ岳生とうもろこしを20万本以上、全国のお客様へお届けできるほどに成長することが出来ました。

 

「農業なんて気軽にやるもんじゃない」祖父母の反対からスタート。

農業は手伝った事はあっても基礎知識もなく、全くの素人だった私たちは、はじめは農業を引退した折井の祖父母の畑を引き継ぐところからスタートしました。祖父母は担い手がいることを喜んでくれる!そう思って「農業をやりたい!」と伝えたものの、最初に言われたのは「農業なんて気軽にやるもんじゃない!」という意外な一言。でも、それは心配する祖父母の優しさからでた言葉だと感じて、自分たちの若さと有り余る体力で、簡単に農業ができるという思い込みから、とにかく自分たちだけで農業を始めてみました。でも実際にやってみると、予想以上に全ての作業が難しく、農業の勉強もあまりせず始めた自分たちにはろくな野菜も作れないまま途方に暮れる毎日でした。それでも二人でやる農業が楽しくて、諦めることなく毎日畑にいると、ようやく祖父母が根性を認めてくれて、師匠として指導してくれるようになりました。とはいえ、最初の数年は生計もままならず、他の農家のバイトと掛け持ちをしながら農業を続ける日々。その時に初めて自分たちが興味本位で始めた農業という産業の厳しさを実感し、祖父母から最初に言われた言葉の重さを身をもって学ぶことが出来ました。

 

エピソード2:初めての感動体験
対面販売での感動体験が、原動力。

農業を始めた最初の数年間は、市場に出荷できる野菜を中心に、約20種類ほどの野菜作りに挑戦しました。作った野菜をただ持っていけば出荷できるという手軽さに驚きながらも、まだ農業界では年齢的にも若かった自分たちが作った野菜は、本当に喜ばれているのか、誰に食べられているのか、それが全くわからないという手触り感の無さから、“やりがい”というものが失われつつありました。どうせならやっぱり本当の意見が知りたい、作ることの難しさや農業の楽しさも伝えられたら、もっと野菜の価値を感じてもらえるのではないかと思い、観光施設へ対面販売をさせて欲しいと様々な場所をめぐり直談判。県内だけではなく都会のマルシェや商談会、オフィス街など、場違いでもなんでもやってみようと出店を続け、結果的にそこで対面販売でしか味わうことのできないお客様のリアルな反応や、こんな自分たちでも興味を持ってくれて応援してくれる人がいるんだということを改めて知ることが出来ました。そして初めて作った野菜でお客様に「本当に美味しいね、まだ若いのにこんな想いのこもった野菜を作ってくれてありがとう。そういう人たちが増えたらいいな。頑張ってね!」と笑顔で言われた時、初めて心から農業やっていて良かったなと思えました。その経験が今でも私たちの原動力です!

 

と、今回はここまで!いかがでしたか?会社員をやめて原村の仲間とはじめたハマラノーエンは、営業ばたけ出身の二人が知識ゼロから始めて、今や八ヶ岳生とうもろこしは大人気!対面販売にこだわる理由も、お客さまの生の声が原動力になっているんですね。さて、次回は後半戦!八ヶ岳生とうもろこしがどうやって生まれたのか、そしてそこからどんな未来が待っていたのか、そんな彼らは、今何を想うのか。まだまだ魅力にせまっていきます!

後半はこちら

 

– Information –

開催中のクラウドファンディングは6月21日から7月31日まで
プロジェクト掲載先:CAMPFIRE

ハマラノーエン

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

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文脈や背景を知ることで、その時、その場所は、より豊かになるはず。

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みんなとともに考えながら、さまざまな場所へ。
あらゆる食の体験と可能性をきりひらいていきます。

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