SERIES
食を起点としたコト起こしの舞台裏
2023.05.15. | 

[Vol.3]ピンチをチャンスに変えたレモンザムライ。コロナ禍に負けず販路を拡大 レモンザムライ鈴木慶洋さん

大好きなレモンサワーの探究活動から「瀬戸田レモン」と出会い、農家さんから個人で瀬戸田レモンを卸すようになった鈴木さん。順調に見えたレモンザムライの活動ですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、取引先の飲食店は多大なダメージを受けました。厳しい時期を、レモンザムライはどう乗り切ったのでしょうか。Vol.3では、コロナの影響からの転機や鈴木さんの今後の展望について、また、鈴木さんイチオシのレモンサワーの楽しみ方もご紹介します。

コロナ禍で受注がゼロに。すぐにECサイトを立ち上げた

−−新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店は大打撃を受けたと思います。鈴木さんへの影響も大きかったですか?

鈴木さん:相当でしたね。受注がほぼゼロになったので。これではいけないと、すぐにECサイトを作りました。世間では農家を応援しようという動きがあったので、その想いもいただいて、SNSで瀬戸田レモンの発信をしていたら、初月で売上が立つようになりました。

ただ、サブスクではないので、1回買っていただいても、2回目が難しい。お客さまに再度購入していただくにはどうすればよいか、ECサイト立ち上げ後の運営やブランディングについては、軌道修正しながら進めているところです。

 

−−飲食店から家庭向けに販売を拡大されたのですね。大きな変化だったのでは?

鈴木さん:飲食店に対しては、原価に対しての利益をきちんと考えた上で、価格設定をしなければなりません。ですから、その価格設定の中でもできるだけクオリティが高いものをご提案し、具体的にどのようにクオリティが高いのかもお伝えすることを心がけています。飲食店さんは、一度気に入っていただいてメニュー化されれば長くおつきあいいただけます。ですから、瀬戸田レモンを使ったオススメレシピなどは積極的にお伝えしています。

一方で、家庭や個人向けのECは、インスタの反応次第で売上が全然違ってくるので難しいですね。レモンは美味しいけれど、お客様にとってはたくさんある食材のうちの一つです。たくさんの情報があふれるなかで、どうやったら買ってもらえるのか。特に、2回目の購入につなげるのが大変です。個人の場合、情報発信してから買ってもらうまでの導線がめちゃくちゃ長いと感じています。

 

−−今も軌道修正をしながら進めているのですね。工夫されていることはありますか。

鈴木さん:やはり、積極的にこちらから仕掛ける必要があります。何かワクワク感があれば、もう1回に繋がるかと思い、梱包用のパッケージもフルデザインにこだわっているんです。「次はどんなのが届くかな」と待ち望んでもらえるように工夫しています。めちゃくちゃ試行錯誤してますよ。

 

レモンザムライ直伝!レモンに合うオススメレシピ

−−ところで、鈴木さんはどんなお酒がレモンに合うと思いますか?

鈴木さん:グリーンレモンは無味無臭なのでウォッカが合うと思います。イエローレモンは味がしっかりしているので、ジンの香りと合わせたり、黒糖焼酎に合わせたりするのがオススメですね。レモンにどんなお酒を合わせるかによってかなり味わいが違うので、いろいろな楽しみ方ができると思います。僕はワインベースのものをつくったり、炭酸代わりにビールを入れたりもしています。

 

−−グリーンレモンも卸売しているのですか?

鈴木さん:レモンは、露地栽培をしている10月から翌年5月までがシーズンなので、この時期が販売の中心なのですが、高知に、夏場でもグリーンレモンのビニール栽培をしている農家さんがあるのを発見したんです。すぐに会いに行って、お話させていただき、夏場はそちらを販売しています。めちゃくちゃうまいです。高知レモンは、一般のグリーンレモンよりも果汁たっぷりで甘みもあります。

 

−−ぜひ、鈴木さんおすすめの、レモンを使った飲み方を教えてください。

鈴木さん:たくさんあるのですが、その中からいくつか紹介しますね。
レモンサワーをつくるには、値段もお手頃なキンミヤ焼酎やいいちこが良いです。特にいいちこは、麦の風味が薄いところも気に入っています。レモンサワーを家で楽しむときのコツは、レモンは絞らずに、お酒の中に入れてからスティックでつぶすことです。モヒートのようにグラスにレモンを入れ、優しくつぶす感覚ですね。皮の風味も入るので、果汁量が違います。黒糖焼酎にレモンを漬け込むのもおいしいですよ。レモンの旨味が増します。

ちなみに、レモンは、酸化と乾燥をさけるため、1個ずつラップにくるんで、ジップロックに入れて保存してください。冷蔵庫で2~3か月持ちます。

 

レモンの可能性を探って、国内外に発信したい

−−改めて瀬戸田レモン、高知レモンの魅力を教えてください。

鈴木さん:旨味って、苦味、えぐみ、糖度などのバランスがとれていることが大切なんです。
農家の方から、「人が旨さを感じるのは、味に丸みがあって、さまざまな成分のバランスがとれているときだ」と聞いたことがあるのですが、瀬戸田レモンと高知レモンはまさにそうだと思います。他の産地のレモンだと、「あ、酸味が効いているね」と、何か尖った部分があるんですけど、瀬戸田レモンと高知レモンはトータルバランスがとれているので、より、旨味を感じるのだと思います。

 

−−レモンやレモンサワーの魅力を伝えるために、これからどんなことをしていく予定ですか?

鈴木さん:今後、レモンと何かを掛け合わせた表現をもっと広めていきたいですね。例えば、レモン×お酒、レモン×野菜のように。レモンはかけ算しやすい食べ物なので、どんなものとでも相性が合うと思います。その可能性をレモンザムライとしてまだまだ探っていきます。

また、現在、シンガポールにも瀬戸田レモンを卸しているのですが、それ以外の海外でも、イベントを開催して、ジャパニーズレモンサワーを知ってもらうきっかけをいろいろ作っていきたいです。国内では、全国からおいしいと評判のレモンサワーのお店を一つに集めて、レモンサワーフェスティバルをやりたいですね。

 

– Information –

レモンザムライ
WEB/ECサイト/instagram 

ライター / 黒澤 真紀

愛媛県生まれ。5年間の都内学習塾勤務を経て、2011年にフリーライターに転身。ウェブや雑誌のインタビュー記事、教材や試験問題の作成や小論文の添削などを担当する。高校生と中学生の息子とのおしゃべりが大好き。

Mo:take MAGAZINE > 食を起点としたコト起こしの舞台裏 > [Vol.3]ピンチをチャンスに変えたレモンザムライ。コロナ禍に負けず販路を拡大 レモンザムライ鈴木慶洋さん

Mo:take MAGAZINEは、食を切り口に “今” を発信しているメディアです。
文脈や背景を知ることで、その時、その場所は、より豊かになるはず。

Mo:take MAGAZINEは、
食を切り口に “今” を
発信しているメディアです。
文脈や背景を知ることで、
その時、その場所は、
より豊かになるはず。

みんなとともに考えながら、さまざまな場所へ。
あらゆる食の体験と可能性をきりひらいていきます。

みんなとともに考えながら、
さまざまな場所へ。
あらゆる食の体験と可能性を
きりひらいていきます。

さあ、いっしょに たべよう

OTHER SERVICE

様々な形で「食」が生む新たな価値を提供します。

ブランドサイトへ