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コーヒースタンドを起点とした場づくりの舞台裏
2023.09.05. | 

[Vol.2]ウラシュクってどんなところ?街の魅力をフェスで伝える

「宿河原の魅力を知ってほしい」。そんなコンセプトでこの夏開催された地域イベント「ウラシュクフェス」。宿河原に縁のあるさまざまなプレイヤーが集まったイベントは、どのようにしてつくられたのでしょうか。イベント発起人のONE_THROWの東海林さんと、企画段階からサポートしたonestopの小倉が振り返ります。

onestopとのコラボレーション

−−ウラシュクフェスにはonestopがサポートとして入っていると聞きました。一緒にやろうと思った理由を教えてください。

東海林さん:これまでも、自分たちのできる範囲で小さく縁日を開いたりといったことはしていて、そのときもonestopの廣島さんに手伝っていただいたんです。でも、今回は「こういうことをやりたいな」と大まかな構想が浮かんだ時点で、これは自分たちだけでできるようなものじゃないだろうと想像がつきました。オペレーションについても、見せ方についても、絶対力を借りた方がいいと思って、onestopさんには企画段階から入っていただきました。

 

小倉:東海林さんから「宿河原って何もないよね」という言葉をよく聞くんだ、と伺っていて、わたしも初めて宿河原を降りた時はたしかに「住宅街がメインなのかな」と思っていたんです。ところがイベント開催に向けて東海林さんや街のプレイヤーさんと交流するなかで、皆さんの街に対する想いを知り、「こんなに熱い方達がたくさんいるんだ!何もなくないよ!」と思ったんです。そこで、プレイヤーの皆さんの想い自体をイベントに来るお客様にも感じてもらいたい、と考えました。

東海林さんからは最初に、フェスみたいなことがしたいとアイディアを伝えていただいたので、私たちはそれをどうやったら体現できるかをサポートさせていただきました。

カラー(個性)を持たせ、ごちゃまぜにする

−−実際にはどんな風に進めていったのですか?

東海林さん:準備を始めたのは2ヶ月ほど前からです。僕は出店者さんの募集や集まってくれた人とのやりとりをメインに動きました。最終的に12の店舗が参加してくれました。

 

小倉:集まってみると、かなり面白い方たちばかりというか、バラエティが豊かで。特徴に合わせてカテゴリー分けをしたいと思って、会場を4つのエリアに分け、それぞれに「energy」「eating」「relax」「creative」のテーマを持たせることにしました。

テーマを際立たせるために、energy=赤、eating=黄色、relax=緑、creative=青のテーマカラーを決めました。それぞれのエリアの入り口にテーマカラーの風船を飾っています。

小倉:また、いろいろな個性がありつつ、それがごちゃまぜになっているのが宿河原の魅力だと思うので、どこかで「ごちゃまぜ」の要素を入れたいなと思い、フェスの最後にみんなが集まれる時間を取りました。日中4つのエリアにいた人たちがONE_THROWに集まって、洋風酒場の夜スミさんのフードやドリンクをビアガーデン風に楽しめる時間です。夜になったらそれぞれの会場を飾っていた4色のテーマカラーの風船もONE_THROWに集めて、いろんな「色」をもった人々がごちゃまぜになって楽しむ時間にしたいな、と思っています。

 

東海林さん:今日はONE_THROWで、フェス限定の「まぜまゼリーソーダ」や「カラフルヨーグルトアイスキャンディ」を提供していますが、中に入った4色のゼリーは、このフェスをイメージしています。これも、onestopさんに開発していただきました。こういう見せ方の部分は特に、僕たちだけでできる範囲を超えてますよね。

ウラシュクラジオが情報源に

小倉:あと、せっかく面白い人が集まったので、もっと詳しく知ってもらうきっかけをつくりたいと思って、今日はラジオをやってるんです。「ウラシュクラジオ」って言って。

 

−−面白そう!どんな風にやっているんですか。

小倉:出店者さんに15分ぐらいずつお話を伺う番組を、インスタライブで発信しています。スマホからでも聞けますし、各エリアでスピーカーをつなげて、街なかの有線放送みたいにもしています。ふらっと訪れた人にBGM的に聞いていただいたり、あと、出店者さんどうしって案外じっくり話す時間はないので、お互いにつながるきっかけにもなったらいいなと思って。

 

−−それはいいアイディアですね。

小倉:ところが、この暑さで端末がうまく動かなくて!急遽、涼しい場所に移動して放送することにしました。事前のプランをどこまで詰めていても、当日にならないと分からないことってありますね。今日は朝からonestopチーム総出で運営に入っているんですが、何かあればこんなふうに、協力しながらその都度対応しています。

 

続けることで少しずつ広めたい

東海林さん:いまは、こういうイベントを継続的にやっていきたいなと思っています。規模を変えながら、数ヶ月か、半年に一度ぐらいずつ続けていければ、もっと宿河原の面白さを知ってくれる人が増えるんじゃないかと思っています。

 

小倉:案内所に立っていると、
「こういうことをやってもらえて嬉しい」とか、「宿河原に住むの、楽しくなるね」
という声が入ってきて、それがとても嬉しいですね。これまではコンテンツがなかっただけで、楽しみたい人はたくさんいた、ということだと思います。。今回のイベントで「こういう面白いこともできる街なんだ」と感じていただけたのではないでしょうか。東海林さんのおっしゃるように、今後定期的に開催することで、宿河原の面白さが少しずつ広まっていけばいいなと思います。

 

ライター / 八田 吏

静岡県出身。中学校国語教員、塾講師、日本語学校教師など、教える仕事を転々とする。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことからフリーランスライターとしても活動を始める。不定期で短歌の会を開いたり、句会に参加したり、言語表現について語る場を開いたりと、言葉に関する遊びと学びが好き。

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