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コーヒースタンドを起点に場づくりを行う人たち
2022.09.20. | 

[Vol.3]池尻大橋のJAM STAND COFFEEから、土合の駅茶moguraへ【VILLAGE INC. 茶屋尚輝×Yuinchu 小野】

JR上越線の「土合(どあい)駅」(群馬県みなかみ町)でグランピング施設「DOAI VILLAGE」を運営する株式会社VILLAGE INC.(ヴィレッジインク)のマネージャー、茶屋尚輝(ちゃや・なおき)さんへのインタビュー。ここからは、株式会社Yuinchuの代表・小野正視も登場し、2人の出会いを振り返りながら、土合駅にある「駅茶mogura(エキッサモグラ)」とコーヒースタンドについて語っていただきます。

駅茶moguraとHYPHEN TOKYOの関係は?

ーーVILLAGE INC.は土合駅で、グランピング施設「DOAI VILLAGE」に先駆けて、カフェ「駅茶mogura(エキッサモグラ)」もオープンしていました。お二人の出会いについてお聞きする前に、駅茶moguraについて教えて下さい。

 

茶屋さん:駅舎の中で実際に使われていた切符売り場と駅務室を改装して作ったカフェです。JR東日本さんはキャンプ場を作るだけではなく、駅を開けた場所として活用してもらいたいという思いを持っていたので、宿泊のフロント機能として、そして地元の人たちとつながるきっかけの場所としてカフェの機能が必要だなと思ったんです。

 

小野:僕、駅茶moguraが大好きなんですよ。もうベタ惚れです。駅員として働いたことがあるわけでもないし、ルーツはまったくないんですけど、役務室や切符売り場がそのまま残っていてものすごく懐かしい気がするんですよ。ノスタルジーを誘う場所です。

 

茶屋さん:土合駅は鉄道ファンにとって、一生に1回は行きたいと思う大事な駅なんです。そういう人たちががっかりしないように、そして地域の人たちの思い出を壊さないように考えました。できるだけ手を入れず、残せるものは残してテイストを揃えたところ、今の駅茶moguraになったんです。

 

ーー鉄道ファンにとっては土合駅にいく動機がまた1つ増えましたね。地元の方たちもいらっしゃいますか?

 

茶屋さん:最初は「何かできたみたいだから来てみたよ」という形でしたが、「コーヒー美味しいね」と、その後もコーヒーを飲みに来てくれたり、定期的にコーヒー豆を買いに来て下さるようになりました。

 

小野:嬉しいですねえ。実はHYPHEN TOKYOが、オリジナルブレンドを一緒に開発させてもらったんです。HYPHEN TOKYOはミニマムなコーヒースタンドの作り方、運営の仕方、コーヒースタンドを生かした場の活用法をオールインワンで提供していますが、茶屋さんにはすでにそれらがインプットされています。なので、サービスとして一番簡単に、オリジナルブレンドのコーヒー豆を卸す、という形で関わらせてもらっています。

 

西伊豆にいた茶屋さんが、都内のカフェに立つようになった理由

ーー茶屋さんには、HYPHEN TOKYOが提供しているコーヒースタンドの作り方や運営、場の活用方法がすでにインプットされているということでしたが、そのあたりのことを茶屋さんと小野さんとの出会いを絡めてぜひ詳しく教えて下さい。

小野:VILLAGE INC.が下田駅前に建てた商業施設があるのですが、そのオリジナルコーヒーブレンドをYuinchuが作るようになったのが最初のつながりです。同じ頃に西伊豆のAQUA VILLAGE や REN VILLAGEにキャンプ飯のケータリングを提供させてもらうようになり、茶屋さんともつながりができました。

ちょうどその頃Yuinchu は池尻大橋(東京都世田谷区)にあるコワーキングスペース内のコーヒースタンドをやらないかという話を、全く別のところから持ちかけられていたんです。まだHYPHEN TOKYOがなかったし、主事業はレンタルスペースだったので、コーヒースタンドを立ち上げたはいいけど、実際に誰がカフェをやるの?という状態でした。

その時、弊社の坂本英文が池尻大橋界隈に住んでいたことのある茶屋さんに「誰か紹介してほしい」と連絡をとったら、「自分じゃダメですか?」と翌日に返信をくれたんですよね。

 

ーーその頃、茶屋さんはもう西伊豆で働いていたんですよね? その茶屋さんが池尻大橋のカフェに立とうとしたのはなぜでしょうか。

 

茶屋さん:西伊豆の2つのヴィレッジで、※オフサイトミーティングのニーズがあったんです。東京の企業が興味を持ち始めていたので、事務所を構えなくてもコーヒースタンドが法人営業の窓口にもなるのでは考えましたし、AQUA VILLAGEのような場所で働きたいという人は東京にいるとするなら、リクルーティングの窓口にもなると考えたんです。

 

小野:僕たちはVILLAGE INC.に運営を委託する立場だったけれども、儲けるためにやろうとは思わなかったんですよね。むしろ、経営リスクはあるかもしれないけれど、目的を強く持った人に運営を委託して、場づくりをしたかったんです。そのためには、強い目的意識を持った人の方が合うと思って。ちょっとした社会実験思考でしたね。一般的にはなかなか理解されませんでしたが。

 

茶屋さん:社長の橋村を説得するのは、小野さんも一緒にやってくれたんですよね。一緒に戦略を考えて、こう伝えたら社長も納得するんじゃないかって。結局、半年間ほど、カフェに立たせてもらいました。

 

※オフサイトミーティング…会社から離れた場所でミーティングを行うこと。非日常の空間に身をおくことで、ミーティングの活性化を狙って導入する企業が増えている。

 

コーヒースタンドという機能によって場が活性化した「JAM STAND」

ーーそのカフェが「JAM STAND COFFEE (ジャムスタ)」だったわけですが、実際にやってみてどうでした?

 

茶屋さん:面白かったですね。

 

小野:見ていてすごく楽しんでいるのがわかりましたし、茶屋さんが空気を作って、茶屋さんの場になっていましたよね。コワーキングスペースにコーヒースタンドという機能を入れたことで場が活性化しましたし、いろんなプレイヤーが集まってきましたね。

 

茶屋さん:僕と入れ替わりでコーヒースタンドを運営することになった三宅恭平という人がいるんですが、彼は映画が好きだったんですよ。だから映画が好きな人たちが自然と集まってくるし、自転車が好きな人とか、好きなもの、Likeを持った人たちが集まるような拠点になりました。

 

小野:「コーヒー飲みに行ってみようか」「なんか映画が好きな奴がいるらしいよ」を訪れるきっかけにしたいというのが僕の着想だったんです。コーヒーはあくまでも仕組みでしかない、機能でしかないんだなと思い始めたのは、ジャムスタが大きなきっかけでしたね。

池尻大橋という地域を盛り上げようとコーヒーのタウンフェスをやったり、地域ぐるみで新しい文化を作っていったのがジャムスタ。名前の通り、ジャムセッションするようなコンセプトの場になっていきましたね。

 

茶屋さん:ちょうどいいタイミングで人に恵まれたんですよね。人がつながって、盛り上がっていくという実感値を得ることができ、自分が空間やお店を持つことの疑似体験も出来たと思っています。

 

次回は9/22(木)に公開予定です。最終回は、コーヒースタンドを機能とした場づくりや地域の活性化について、そして、これからの”野望についても”語っていただきます。(つづく)

 

DOAI VILLAGE
WEB/Instagram

株式会社VILLAGE INC.

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ライター / 平地 紘子

大学卒業後、記者として全国紙に入社。初任地の熊本、福岡で九州・沖縄を駆け巡り、そこに住む人たちから話を聞き、文章にする仕事に魅了される。出産、海外生活を経て、フリーライター、そしてヨガティーチャーに転身。インタビューや体、心にまつわる取材が好き。新潟市出身

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