まずは皮を手元に1枚
みくさん:春巻きの皮って10枚入りなんです。余っても冷凍できます。巻く前に、揚げ油と、巻いて最後の端を止める糊(小麦粉を水で溶かしてヨーグルト状にしたもの)を用意しておきます。乾燥するとどんどん皮が硬くなって割れやすくなるので、なるべく巻く直前に袋を開けます。
では、春巻きの皮をはがしていきます。春巻きの皮って、全部がくっついてるんですね。1本1枚1枚はぎ取ると結構破れやすいので、まずは半分の量にします。5枚目と6枚目の間に親指を入れて、左右にぐっと引き離します。さらにそれぞれの側を半分にして、2枚と3枚にしたら、最後、1枚をはがします。
黒澤:ザーッとはがれていきますね。初めてなので緊張します。
みくさん:大丈夫です。上手にできていますよ。春巻きの皮はツルツルした面とザラザラした面があるのですが、ザラザラした面に具材を載せていきます。
黒澤:間違えるとまずいですか?
みくさん:まずくはないですが(笑)、ザラザラした面を外側にして揚げると、仕上がりがボコボコになるので、ツルっと仕上げたほうがおいしそうなので、ツルツルした面を外側にしてください。触るとすぐにわかると思います。
具材を乗せてくるくるっと
みくさん:春巻きの皮を、おへその前に四つ角の一つがくるように置きます。上から見るとひし形です。そして、中心よりちょっと手前、全体の3分の1のスペースに具材を置きます。欲張って具をたくさん乗せてしまうと皮が破れてそこが焦げやすくなっちゃうんで気をつけてください。
具材を乗せたら、手前のミニ三角形の部分を具材の上にかぶせて、具材を包み、手前にぐっと引き寄せます。そして、両端を指で軽く押さえます。
黒澤:どのあたりの両端を押さえれば良いですか?
みくさん:たとえば、10センチの春巻きを作りたいのであれば、棒状の部分を10センチくらいにして、その両端です。
ここで具材をぎゅっと包んでおけば、空洞が少なくなるので、出来上がったときに、中身がぎっしりつまった春巻きに仕上がります。空洞をなくすイメージですね!
今、春巻きの皮の手前の部分に具材が入った筒状の部分ができていますね。次に、その両端を閉じます。左右どちらからでもかまいません。さっき軽く押さえた両端の部分から折ります。ここのポイントは、筒状のラインに対して、平行に左右の皮を閉じてしまうと、最後にくるくるっと丸めた時に外側に開いていってしまうので、ちょっと気持ち内側に寄せてあげることです。
最後に皮の端っこに糊をつけて、くるくるっと丸めたら揚げる前の春巻きが出来上がりです。
やってみましょうか。
黒澤:まずは、具材を乗せて。なんか、具材をたくさん乗せたくなっちゃいますね(笑)。
みくさん:そうですね(笑)。具材を置く時は、かたまりで、というよりも、ちょっと横長をイメージして置いてあげると巻きやすいですね。
黒澤:それから、手前にぐっと引いて……。
みくさん:そうです。手前にぐっと引き寄せて、軽く巻いて、両端を押さえる。
黒澤:そして、気持ち、内側に皮を入れて。
みくさん:気持ちで大丈夫ですよ(笑)。あまり入れすぎると皮が余ってしまうので。
黒澤:それで、糊をつけてくるくると。ちょっと、曲がってきました…。
みくさん:最初おったときに、手前の三角と、その先の三角が直線上にあるようにするとまっすぐ巻けますよ。そうです。いい感じです。
みくさん:できたらバットにならべていきましょう!
黒澤:そういえば、最初に春巻きの具材は自由だとおっしゃってましたね。
みくさん:お魚の切り身をドンと乗せて、シソを乗せてくるくるっと巻くのも良いですし、かぼちゃを大きめにフライドポテトみたいにザクザク切ってチーズを乗せても良いですし、フルーツを入れてパイのようにするのもいいですね!
黒澤:慣れてきたら作ってみたいです!
外がカリッとなるように揚げる
みくさん:では、揚げていきましょう。今日は直径約30〜35㎝の深めのフライパンを使います。春巻きは細長いので、深くない普通のフライパンで大丈夫です。
黒澤:今回の揚げ油も唐揚げと同じように米油ですね。
みくさん:そうなんです。米油をフライパンにタプタプ入れたら、火をつけます。全体にむらがないように仕上げるには油が多い方が良いと思います。
黒澤:菜箸の先の泡が細かくなってきました。
みくさん:160度くらいになったので揚げていきましょう。
黒澤:揚げるときに気をつけることはありますか?
みくさん:春巻きは巻いたらすぐに揚げていきましょう。皮が具材の水分を吸ってしまうので、時間が経つと、どうしてもべちゃっとなってしまうんですね。その状態で揚げると皮が破れやすくなるので、皮が乾いてるうちに揚げ始めてください。
黒澤:適当にボンボンって入れていって構いませんか?
みくさん:中の具材がバラバラにならないように、最後に糊をつけて閉じたところを下にしてフライパンの中に入れていきます。
黒澤:春巻きは中の具材に火が通っているので生焼けの心配がなくていいですね。
みくさん:そうですね。ただ、外の皮がカリッと仕上がらないといけないので、じっくり揚げていきます。
黒澤:揚げてる音が静かですよね。
みくさん:うまく揚がっているときはそうですね。皮が破けてしまうと、中の具材や水分が飛び出ちゃうので、バチバチッとなりますね。温度が低すぎると、皮が破れやすいので、最初に入れる時の油の温度がポイントです。いいタイミングで入れればあとは揚がるのを待つだけです。
みくさん:きつね色になってきたのであげていきましょう。
黒澤:具がずっしりという感じですね。
みくさん:ツルツルなので気をつけて持ち上げてくださいね。
みくさん:揚げた春巻きは、縦に置いて、油が落ちるのを最小限にします。
カリカリの皮の中から、熱々のあんがとろーっと
みくさん:では、揚がった春巻きを切っていきましょう。
黒澤:皮がパリパリなので、切ろうとした瞬間にグジャグジャっとなってしまいそうですね……。
みくさん:まず、真ん中に包丁を立てて、揚がった春巻きに穴を開けます。包丁の先が入ったら、そのまま一気に包丁を下ろします。
黒澤:あ、できました!
みくさん:私の実家では春巻きにはケチャップが定番で、子供の頃から春巻きはケチャップで食べるものだと思っていました。
黒澤:何もつけずに食べても良いですか?
みくさん:もちろん、そのままでもあんにしっかり味がついているのでおいしいと思います!
黒澤:外側の皮がカリッとしていて、一口かむと、中のあんが蒸し熱をまとってじゅわっと口の中に入ってきます!おいしいです!
みくさん:よかった~!!
黒澤:香りと味わいが口いっぱいに広がりますね。具材があんになっているので、しっかり味をまとっています。
みくさん:いろいろ具材を入れましたが、どれも絶妙なバランスで旨味がしっかり出ていると思います。私は、なるべく素材の味を生かしたいので、うまくできて嬉しいです。
黒澤:食への意識が高いんですね!
みくさん:もともと何でも好きなんですけど、妊娠してからは特に「食」を意識するようになりました。やっぱり私たちの体は食べものでできていると思うので。
黒澤:まだお子さんは小さいんでしたよね。
みくさん:離乳食を始めています。仕事をしていてバタバタしているのですが、なるべく自分ができることは子どものためにやってあげたいなと思います。
「春巻き」基本のレシピ
−−−−−−−−−−−−−
<材料 2人分>
豚肉 数枚
ブラックタイガー 適量
水で戻した干しシイタケ 適量
*シイタケの戻し汁も使います。
春雨
たけのこ
白菜 数枚
ピーマン 適量
春巻きの皮 作りたい分だけ
★具材の味付け
オイスターソース
酒
香味シャンタン
醤油
鶏ガラ
砂糖
★水溶き片栗粉
片栗粉 大さじ2分の1
水 100CC
★揚げ油
米油 鍋に入れた春巻きが浮かぶほどの量
<作り方>
①干しシイタケを水で戻しておく
◎どこよりも細かいレシピポイント(シイタケの使い方)
・干しシイタケの戻し汁は出汁にも最適なので、なるべく干しシイタケを使う。
②具材を切る
◎どこよりも細かいレシピポイント(具材の切り方)
・全体的に細切りにする。ただし、あまり神経質にならなくて◎。
③フライパンで具材を炒める。このとき調味料で味付け&片栗粉でトロミをつける
◎どこよりも細かいレシピポイント(具材の炒め方)
・先に豚肉を炒めてから野菜を入れる。
・春巻きを食べたときに欲しいトロミ加減をイメージして片栗粉を調節する。
④③にラップをかけて粗熱を取り、冷めたら冷蔵庫で冷やす
◎どこよりも細かいレシピポイント(具材の冷やし方)
・具材をバットに入れて落としラップをする。
・粗熱をとってから冷蔵庫へ。しっかりと冷ます。
⑤冷蔵庫から出した具材を春巻きの皮で包む
◎どこよりも細かいレシピポイント(具材の巻き方)
・巻く直前に春巻きの皮の袋を開ける(乾燥を防ぐため)。
・春巻きの皮の3分の1くらいに具材を横長に乗せる。
・具材を乗せたら、両端を押さえて具材の隙間を埋める。
⑥米油で揚げる
◎どこよりも細かいレシピポイント(春巻きの揚げ方)
・最後に糊でつけたところを下にして油に入れる。
・揚げた春巻きは縦にバットに置く。
・揚げた春巻きを包丁で切る時は、まずまん中に包丁の刃先を入れて、穴を空けそこに包丁の刃をあて、一気に切る。
– Information –
大高未来さんプロフィール
Instagram:@_kichijitsu_