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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2024.08.22. | 

【Vol.1】日常的なつながりで日常の延長をつくる。 “このまち”の文化祭『たまれ万博』レポート

「久しぶりー!」「お子さん大きくなりましたね!」
そんな声と笑い声で賑わいをみせる年に一度のお祭り『たまれ万博』が開催されたのは6月のこと。
この『たまれ万博』は、医療・福祉事業に関わる人、図工の先生や音楽家、
学生や地域の人たちなど、個性豊かな仲間のみんなで作りあげる大人が楽しめる文化祭。

それぞれの想いを持った人たちでつくられるこの場所には、
地域住民だけでなく、他のエリアからも来場する人が多いようです。
懐かしい人と再会したり、新しい出会いがあったり、発見があったりと、
初めて足を運んだ私も、もはや身内のような感覚になれるほど温かさを感じる場所でした。

色んな人が関わりながらも一体感をそこなわず、
でも個性豊かで“らしさ全開”の『たまれ万博』はどうやって生まれているのか。

今回はそんな『たまれ万博』の実行委員長的な役割で、
この地域のコトおこしには欠かせない人物・シンクハピネスの和田滋夫(わだ・しげを)さんにお話を伺いながら、この地域ならではの場づくりについて全3回にわたってお届けします!

そもそも「たまれ」って?
シンクハピネス・糟谷代表が描いた“村の景色”

京王線の多磨霊園駅から徒歩1分。「たまれ」は、この地域を中心に医療・福祉、コミュニティ事業を展開するシンクハピネスが想い描くコミュニティのありの方のひとつ”村構想”から生まれた場所。

この場所に来ると色んな出会いや、学び、体験ができるんです。

そして、「たまれ」のすぐ隣にあるカフェ「FLAT STAND(フラットスタンド)」は日常に寄り添った“まち”の「セカンドリビング」がコンセプト。オープン前にサポートをしたYuinchuにとっては、思い出の地でもあるんです。

“あたたかな陽ざしがふわっと差し込む、木のぬくもりあふれるカフェ。”

そんな紹介文とともに、シンクハピネス・代表の糟谷明範(かすや・あきのり)さんにMo:take MAGAZINEが取材をしたのは2018年でした。

 

右:糟谷代表 左:和田さん(2018年当時 )

取材当時、「フラットスタンドは、想いをおさえられず予定よりも早いタイミングでできた」

というエピソードや「みんなが自然と集まる場所にしたい」という想いについても、たくさん語ってくれました。

あれから約6年が経過した今、コミュニティカフェとして自然と人が集まる場所になっているフラットスタンド。

そして人やモノ、コトが集まりコミュニケーションが生まれる場所として、地域に愛されている「たまれ」が今、“このまち”の空気をつくりはじめています。

『たまれ万博』は、シンクハピネスと、そんな「たまれ」に縁があったり、興味をもってくれる人たちみんなが、見たい風景を共有する、年に一度のお祭りです。

関連記事:[Vol.1]カフェからはじまった、人と医療、福祉の心地いい関係-FLAT STAND-

 

屋外も屋内も個性豊かな出店ブース。
お買い物も体験も様々なコンテンツが目白押し。

『たまれ万博』当日は、曇り空。「雨が降らないと良いなぁ」そんな心配をよそに、開始11:00にはあっという間に人が流れ込みます。
『たまれ万博』の屋外会場となったのは、いつもは駐車場として利用されている場所。
でも、この日ばかりはお祭り会場のように様変わり!

バラエティ豊かな各ブースでは、アート作品に雑貨、お野菜の苗も販売されているかと思えば、その並びにはタイ式マッサージがあったり。他にも提灯作り、紙をつかったワークショップ、染め物体験でオリジナルTシャツが作れたり、オリジナル缶バッチもつくれちゃう。
そんな楽しい体験コンテンツの数々が来場者の人を飽きさせません。

 

ここにズラっと並ぶ提灯は、想いに共感した方々の支援のカタチ。
『たまれ万博』はこうした多くの協賛によって実現したといいます。
“未来に繋いでいきたい”そんな想いで、“どこだって公園”という概念をもつYuinchuの公園化ブランド「PARK SPOT」で私たちも協賛!『たまれ万博』を公園化?しました!

 

ブースの反対側で賑わいを見せるキッチンカーには「木花之醸造所」さんの本格甘酒や日本酒、フラットスタンドのソフトドリンクにビール、公園をテーマにした冷製スープも販売!
このスープは、わたしたちMo:takeが「PARK SPOT」をイメージして開発したオリジナルスープ。

ビシソワーズをベースにして、それぞれ個性のある様々なハーブを加えることで、人それぞれ、いろんな使い方ができる公園のイメージをスープで表現しています!
口の中では様々なハーブの香りと食感、シンプルでしっかり目の味付けのビシソワーズが合わさることで、口内すら公園化するという新発想のスープに仕上げました。

 

屋内のマルシェブースも目白押し!ハンドメイドのアクセサリーや雑貨、文房具に革小物、アパレル、アップサイクルグッズや生花など日常を彩るものから、焼き菓子、お茶やコーヒーの専門店など、1日でゆっくり見てまわるには時間が足りないほど多くの出店数でした。どのブースを見ても個性が光っていて、温かみを感じる会場のあちこちで買い物を楽しむ来場者の人たち。全てを紹介しきれないのは心苦しいのですが、テキストでは伝えきれないこの空気感は、次回の『たまれ万博』の現地で、ぜひ体験していただきたい!

 

そして屋内ブースはお買い物だけじゃなく、日頃から「たまれ」で活動する方々がお迎えする『たまれ万博』の限定企画も。

中高生が宿題をしたり、おしゃべりをしたり、家でも学校でもない第3の学び場を提供する「Co-Study space Posse(ポッセ)」は、運営する学生メンバーへのインタビュー企画を。
図工の先生とピアノ・マリンバ・ガラクタ演奏家の2人が立ち上げた「あそびのアトリエ・ズッコロッカ」では、水切りネットを使った人形作り、ビーズで作るストラップのワークショップ、パワーストーンの掴み取り、そして駄菓屋さんも出現。
しかも、これらの企画を考えたのが小学生や中学生だというから驚きです!
会場ではそんな子ども達が、訪れた人の対応までしていて大活躍でした。

 

『たまれ万博』はみんなの見たい景色を共有し合う場所

『たまれ万博』はみんなの見たい景色を共有し合う場所。
そのためにそれぞれが、それぞれの想いで自分ごととして動く。
来る人が主役で大人も子供も楽しめる『たまれ万博』は、訪れた人が自然と笑顔になったり、気づいたら自分を解放して楽しんでしまう。そんな空気を放つ“このまち”ならではの文化祭でした。

どのブースも個性があるものばかりで、本当に楽しめる温かい会場ですが、こんな風に個性がぶつかり合うことなく、調和しながら人々が一体となって、運営する人も来場者の人も楽しめる場づくりは、どうしたらできるのだろう?

というわけで、決して“ありきたり”ではないこの『たまれ万博』がどうやって生まれているのか、そんな疑問を抱きながら、実行委員長を務めるシンクハピネスの和田さんに、いよいよお話を伺うことに。

 

次回からは、この記事でお伝えしきれなかった『たまれ万博』が生まれるまでの足跡をたどりながら、これまで土台となってこの地域を盛り上げてきている和田さんの想いと、裏側のストーリーに迫ります。

Vol.2はこちら

 

– Information –
株式会社シンクハピネス
たまれ万博’24レポート映像

FLAT STAND
東京都府中市清水が丘3-29-3
京王線 多磨霊園駅より徒歩1分

<火〜土曜>12:30〜17:30(日曜月曜定休)
<金曜のみBAR営業>19:00〜22:30
※外部イベント出店等による臨時休業あり
※イベントによる貸切あり

Instagram (FLAT STAND)
Instagram (たまれ)

ライター / Mo:take MAGAZINE 編集部

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