「大葉香るサバ缶のスパイスつまみ」基本のレシピ
<材料 6人分(約800g)>
・サラダ油 30ml
・玉ねぎ 1玉 180g
・サバ水煮缶 2つ 380g
・舞茸 50g
・タケノコ 100g
・えのき茸 100g
・大葉 10枚
・クミンシード 3g ※テンパリング用
・コリアンダー 4g
・ターメリック 2g
・ブラックペッパー 2g
・ニンニクチューブ 4g
・ショウガチューブ 4g
・塩 8g ※ナンプラーがある場合は5g
・ナンプラー(あれば3ml)
・レモン汁 8g
※このレシピは水で延ばさないので、塩分量は全体の1%よりも少ない
<下準備>
①玉ねぎと舞茸は細かいみじん切り、えのき茸は1cm幅に切る。タケノコは玉ねぎと同じぐらいのサイズ(7-9mm角)に切る。大葉は3mm角の大きさに切る。
<作り方>
テンパリング・玉ねぎ炒め
②サラダ油をフライパンに垂らし、中火で加熱する。クミンシードを1粒落とし、気泡が出てきたら残りの全量を投入し、テンパリング(油にスパイスの風味を移す工程)を行う。
③気泡がおさまってきたら玉ねぎを投入し、油と玉ねぎを素早く絡め馴染ませ、塩をひとつまみ(分量外)振る。玉ねぎが全体的に透き通り、木べらで潰せるくらいになるまで炒める。
具材炒め・スパイス&調味料投入
④サバ缶を汁ごと③のフライパンに投入し、全体的に潰しながら満遍なく混ぜる。舞茸、タケノコ、えのき茸を加え、中火で加熱する。最初はサバ缶の水分によってシャバシャバするが、水分が飛び、もったりしてくるまで焦げないように混ぜながら加熱する。
※大体2-3分くらいが目安。
⑤弱火にして、コリアンダー・ターメリック・ブラックペッパーと塩・ニンニク・ショウガを投入し、全体的に馴染むようにかき混ぜる。この時点で味見をし、塩を入れる。このあと、水を加えないので塩分量は「ちょうどいい」を目指す。
仕上げ
⑥レモン汁と大葉を投入し、さっとかき混ぜたら火を消す。最後に味見して塩味の程度を確認し、必要であれば調整する。完成!
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今回はスパイス単体の種類がいくつかあり、細かい計量が必要です。ひとつひとつのスパイスにどのような役割があるのでしょうか、興味津々です。ここから、最高に美味しいおつまみを作るため、わからないことや気になることを、ダーホンさんに細かく教えていただきます!
カレーではない本格スパイス料理
スパイスは基本の3種類
谷井:前回、教えて頂いたチキンカレーがとても美味しかったので、スパイス料理にすごく興味が湧きました!
ダーホンさん:前回は市販のカレー粉を使いましたよね。今回はスパイスの単品使いにステップアップしましょう!
谷井:ちょっと緊張します。
ダーホンさん:難しく考えなくて大丈夫ですよ!今回使うのは、クミンシード、コリアンダー、ターメリックの3種類です。これにチリを加えると、カレーを作るために必要な、スパイスの基本の構成になります。
谷井:基本のスパイスは4種類!思ったより少ないのでちょっと安心しました。今回チリが入っていないのはどうしてですか?
ダーホンさん:チリは唐辛子を粉にしたもので、カレーの辛味を出す役割があります。今回ご紹介する「大葉香るサバ缶のスパイスつまみ」は、ごはんにかけて食べるカレーライスとしてではなく、単品で食べるスパイス料理として紹介したいなと思ったので!
谷井:だから「カレー」ではなく「おつまみ」なのですね!他のスパイスにもそれぞれ役割ってあるのでしょうか?
ダーホンさん:コリアンダーは、スパイス全体をまとめる役割があります。
谷井:香りがさわやかですね!他のスパイスと比べて分量が多いのは、まとめ役だからなのですね。
ダーホンさん:クミンは前回の「チキンカレー」でテンパリング(油にスパイスの風味を移す工程)しましたね。これが「一般的なイメージのカレーらしい香り」の正体です。そして、ターメリックは「ウコン」としても有名ですね!鮮やかな黄色が特徴です。
ダーホンさん:この4つのスパイスをまずレシピ通りに何度か作ってみた後、馴れてきたら、自分なりにおこのみで比率を少し変えてみると、違いを感じられると思うのでそういう楽しみ方もお勧めです!それぞれのスパイスの特徴がわかってきたら、自分好みの配合も作れるようになると思います!
谷井:そうなんですね!スパイスに馴れてぜひやってみたいです!自分好みの配合を作る際、なにかポイントはありますか?
ダーホンさん:クミンとコリアンダーは比較的自由に増やしたり減らしたりして大丈夫だと思いますが、チリとターメリックの分量はちょっとシビアです。チリは増やすと辛くなるし、ターメリックは入れすぎると苦味が出てしまいます。
谷井:なるほど!
ダーホンさん:あと、スパイスを使いこなすのに大事なことは、前回の「チキンカレー」のときにもお伝えしましたが、料理の全体量からの比率です。スパイスが多すぎると粉っぽくなるし、少なすぎると風味が出ない。僕的には、料理の出来上がりの量から逆算して、「スパイス全部の分量は1%」と意識することで、失敗のリスクは減らせるんじゃないかと思います。
谷井:なんかスパイスを使いこなせるってカッコいいですね!楽しみです!
スパイス料理のベースを担う
玉ねぎには欠かせない玉ねぎみじん切り
ダーホンさん:では、玉ねぎを、今回は細かいみじん切りにします。
谷井:前回は大きめのみじん切りを、確かまな板と水平に2回、繊維に対して直角に7〜8回、向きを変えて垂直に4〜5回、切りました。
ダーホンさん:今回は細かいので、まな板と水平に3回、繊維に対して直角に8〜10回、向きを変えて垂直に6〜7回です。
谷井:回数で切り方を表現すると印象に残ります。どうして細かくするのですか?
ダーホンさん:カレーと違い、この料理は「煮込む」という工程がないため、早く火が通るようにです。
谷井:なるほど!
谷井:わたし、いつも玉ねぎを細かくみじん切りにすると目が痛くて涙が出てきます…。なにか涙が出ないようにするコツってありますか??
ダーホンさん:涙が出るのは、玉ねぎを切った時に出てくる「硫化アリル」という成分が蒸発して目に入るからなんですよ。なので、サーキュレーターなどで換気をよくするのが一番簡単です。
谷井:そうなんですね!!だから目が痛くなって涙が出るんですね!サーキュレーターなどで目にその成分が入らないように、吹き飛ばしちゃうんですね!!
ダーホンさん:あとは冷蔵庫で玉ねぎを冷やしてから切ると、成分の蒸発が抑えられます。それと、よく研いだ包丁で切ることでも防止できます。切った時に玉ねぎの繊維がつぶれにくく、切り口が滑らかで、成分が蒸発しにくくなります。
谷井:なるほど!冷蔵庫で冷やしておくのは簡単でいいですね!
ダーホンさん:逆に温める(熱を加える)ことで、目が痛くなる成分が変化するので、電子レンジで500wで20〜30秒ぐらい温めるというのもいいと思います。
谷井:すごい!そんなに方法があるんですね。試してみます!
旨味と食感を考慮して選ぶ
スパイスと合わせる意外な和風食材
ダーホンさん:では続いて、舞茸とえのき茸、タケノコを切っていきましょう。舞茸はみじん切り、えのき茸は1cm幅に細かく切ります。
谷井:舞茸やえのき茸は、他のきのこに変更してもいいですか?
ダーホンさん:大丈夫です。このおつまみは少し和風感も感じられると思うので、和風の味わいが出やすい椎茸に替えるのもありだと思います。あとはなめこもいいと思います!
谷井:なめこをスパイス料理に使うのですか!意外です。どれもみじん切りでしょうか?
ダーホンさん:そうですね、大きくない方がいいです。このあと、サバを加え潰しながらツナに近い状態になるので、その食感を考えて、合わせると細かい方がいいですね。
タケノコは、玉ねぎと同じぐらいのみじん切り(7〜9mm角)にします。タケノコも、食べたときの食感に個性を出すために加えているので、もちろん入れてもらったほうがいいと思いますが、もし準備できなかったらなしでも大丈夫ですよ。
谷井:そうなんですね!きのこは比較的いろいろな料理に使いやすいと思うので常備しているんですが、たけのこは購入する機会があまりないので、無くても作れるんですね!
ダーホンさん:他に具材として入れるなら、ひよこ豆の水煮なども、ホクホクの食感に、食べた後の満足度も上がるのでお勧めです。大葉は、3mm角に切ります。この大葉がこの料理の味のポイントになります!
谷井:そうなんですね!この大葉を入れることでどうなるんですか??
ダーホンさん:大葉を入れると和風っぽい要素と上品さ、そして食べやすさが加わります。
谷井:大葉も和風の要素がある食材ですね。なるほど!
次回は11/1(火)に公開予定です。ひとつひとつ、調理した後の食感を考えながらカットした具材が、どのようなおつまみに仕上がっていくのでしょうか?お楽しみに。