2022.08.23. | 

採れたて✖️完熟に出会えるカフェイベント「南アルプス市“すももと桃のフェア”」

幻のフルーツとも呼ばれる「貴陽(きよう)」。桃かと思うほど大きく立派な「貴陽」は、山梨県南アルプス市が原産のすももです。ふるさと納税でも人気を集める「貴陽」の無料試食と販売、「貴陽」を使ったオリジナルスイーツを提供する「南アルプス市“すももと桃のフェア”」が7/22(金)から23(土)まで、中目黒のカフェで開催されました。昨年のイベントでも完熟した桃が大好評だった「F STAND プロジェクト」が、今年は南アルプス市の協賛でさらにパワーアップ。その様子をお伝えします。

短い「旬」を逃さない!南アルプス市から当日直送のすももと桃

「南アルプス市“すももと桃のフェア”」は、「完熟」の果物を無人販売で都内に届ける「F STANDプロジェクト」が、南アルプス市と協賛して開催したイベントです。開催場所は、中目黒から徒歩5分のところにある「OPEN NAKAMEGURO」。広い屋根付きのテラスには、F STANDのロゴが目印のスタンドが立ち、たくさんのすももが水に浮かんだ大きなタライが置かれ、さながらお祭りの縁日のような雰囲気です。

 

スタンドにきれいに並べて販売されたのは、南アルプス市原産のすもも「貴陽」と浅間白桃です。試食として、きれいにカットした「貴陽」がF STANDのロゴがついたカップに入れて訪れた人に配られ、店内ではイベント期間限定のオリジナルメニュー「貴陽のオープンサンド」が提供されました。

 

F STANDとは、産地でしか手に入らない完熟した果物の美味しさを都内に届けたい、という思いから始まった、無人販売スタンドです。代表の有井さんは、南アルプス市の出身。農家さんがこだわって作った果物を、地元で味わえるような一番美味しい状態で味わえるよう、48時間以内に届けることにコミットしています。この日の貴陽は、イベント前日の夜に木から採って、当日の朝、自家用車で運んできたという有井さんにお話を伺いました。

 

有井さん:作り手の農家さんは、美味しい状態で食べて欲しいという思いがすごく強いのですが、通常の流通ではどうしても7割ぐらいの熟し具合で出さざるをえません。そのギャップを解消したくて、F STANDは、最高の食べごろの状態まで完熟させてから収穫し、48時間以内でお届けするコンセプトで活動しています。

今回ご紹介した貴陽の旬は特に短くて、1週間ほど。今年は、今がその時です。イベントはこの日に決まっていたので、貴陽が合わせてくれました。

 

心から嬉しそうな有井さん。朝方は大雨だった天候も、イベント日和の夏らしい午後となりました。

 

地元でも入手困難な幻のフルーツ「貴陽」

「貴陽」は、すももの中でも大玉の高級品種。とろけるような甘さの果肉と酸味のある皮のバランスがよく、別格の美味しさは南アルプス市のふるさと納税品としても人気を博しています。

有井さんに伺うと、「貴陽」は栽培が難しく、地元の南アルプス市でも生産者の数は限られ、地元のスーパーでもなかなか見かけないほど、希少性の高い果物だそう。県外にはあまり出回らないため、一度その美味しさを知った人は直接農家さんとつながり、毎年購入する人も多いそうです。その希少さは「貴陽だけは別格」とのこと。

 

有井さん:地元では、傷ついた実など、農家の方から数えきれないほど果物をいただく機会が多いのですが、「貴陽」だけはなかなか回ってこないぐらい、希少なすももです。貴陽は本当にデリケートで、仕上げの時期には雨除けを1日に5回も6回も開けたり閉めたり、農家さんは大変です。雨に当たると傷になるし、逆に土に水分が足りないと実がシワシワになるしで、手間がかかるのです。

 

 

有井さん:貴陽の完熟の目安は雲紋(うんもん)です。完熟すると出てくる黄色い模様で、雲紋が入っているほど甘いです。それと、見た目は少し良くないですが、ブルームと呼ばれる白い粉も、美味しさの目安です。果物自身が出している粉のことで、水をよく弾き、中の水分の蒸発を防ぐ働きがあり、新鮮なものには多く付いています。

 

ごろごろとタライに入った貴陽は、確かに白い粉が水を弾いて、縁日の水風船のように輝いています。完熟の貴陽は、食べる10分前に氷水で冷やして食べるのが一番美味しいとのこと。

 

有井さん:桃も実は、本当の意味では追熟しないんですよ。柔らかくはなるけど、糖度は上がらない。地元で食べても、完熟すると堅くてもかなり甘いです。桃はすぐ悪くなっちゃうので、完熟まで待っていると、1日ずれただけでぽとっと落ちたりするので、大変です。

 

農家さんと密接に関わっているからこそ有井さんの言葉には説得力があります。桃やすももの完熟の美味しさを味わえるという体験が、いかに貴重かがわかります。

 

甘味も酸味も濃い!すもものイメージを変える「貴陽」の味わい

試食としていただいたのは、くし形にカットされた「貴陽」です。濃い皮の色と実の黄色のコントラストが美しい! 食べてみると、まずは予想以上の甘さと香りに驚きます。果肉の部分は甘くてジューシー、噛むと皮の部分の酸味も相まって、絶妙な味わいです。意外だったのは、果肉の引き締まった食感。有井さんの言う「完熟の今」とはこういうことなのだなと実感しました。

 

スライスしたたっぷりの「貴陽」にミントをあしらったオープンサンドはこのイベントのために開発された期間限定メニューです。崩して食べるのがもったいない美しさ!しばし眺めてからいただきます。

がぶっと口に入れたとたん、甘酸っぱさがいっぱいに広がりますが、下に敷かれたクリームチーズとホイップクリームが、ほどよく中和してくれます。ブラックペッパーの香りもアクセントとなり、貴陽だけで食べたときとはまた違う種類の美味しさを楽しめます。カンパーニュのパンを使っているせいかさっぱりした味わいで、明日もまた食べたいと思うほど。完熟の「貴陽」を堪能することができました。

 

フルーツを一年を通して楽しめる、南アルプス市は果物狩りがおすすめ

今回の“すももと桃のフェア”は、F STAND PROJECTと南アルプス市の協賛で実現したイベントです。南アルプス市のふるさと納税を担当されている手塚さん、中込さんにもお話を伺いました。

フルーツ王国として有名な山梨県。特に南アルプス市は、一年を通して果物のおいしさを楽しめるんですよ、と手塚さんは話します。

 

手塚さん:年明けから最近栽培が始まったいちご、続いてさくらんぼ、すもも、桃、ぶどうときて、柿もあって、キウィもあります。ふるさと納税では多くの方々にご利用いただき、ネームバリューのあるシャインマスカットが飛び抜けて人気ですね。

 

「貴陽」の発祥も、南アルプス市なのだそうです。

 

手塚さん:「貴陽」は南アルプス市で生まれたすももで、山梨県内でも生産量が一番多いのは南アルプス市なんです。
すももは桃ほどポピュラーではなく、食べ慣れている人は少ないかもしれません。ですが、食べてみると、とても美味しい。今回のイベントでは、地元の生産者さんから一番いい状態でもってきていただきました。ですから、今日ここで召し上がっていただく貴陽が一番美味しいと思います。

中込さん:採れる期間が1−2週間と本当に短いので、機会があれば南アルプス市に来ていただいて、地元の直売所で買っていただきたいですね。

 

なるほど、その時そこでしか味わえない完熟の美味しさがありそうです。

 

手塚さん:南アルプス市には、果物狩りに来られる方も多いです。さくらんぼや桃がメインですね。さくらんぼは山形が有名ですが、東北より先に4月の終わりから楽しめます。

 

果物以外にも、登山やキャンプで訪れる方も多く、地元の温泉も楽しめるとのこと。夏は涼しく、秋は紅葉もきれいで、東京からも近い南アルプス市。果物狩りの時期をチェックしつつ、気軽に行ってみたいと思いました。

 

開放感のあるスペースで限定スイーツを楽しむ

このイベントが開催されたOPEN NAKAMEGUROは、中目黒駅から徒歩5分の駒沢通り沿いにあるカフェです。白を貴重にしたおしゃれな店内は、開放感があって居心地がよさそう。仕事中なのかひとりPCを広げている方や、お友達同士でお茶をする若い女性の姿も。

イベント限定のスイーツやフードも楽しみのひとつ。今回の「すももと桃のフェア」に合わせて、「貴陽」のオープンサンドが登場していました。

時おり感じるコーヒーの香りに、広い窓の外を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせそうです。

旬じゃない時に熟成させても、香りだけはどうしても乗らない

すももと桃の旬に合わせて開催された今回のイベント。果物の旬は天候に左右されやすい上に、期間も短いため、合わせるのは並大抵のことではないはずです。有井さんに、旬にこだわる理由を伺いました。

 

有井さん:旬から外れていても、完熟すれば甘味は乗ってきます。でも、香りだけはどうしても乗らないんですよね。今回のイベントで、普段は味わえない、味も香りもいちばん美味しい時期の果物を楽しんでいただけていたら嬉しいです。

 

公開日の8/23には残念ながら今年の貴陽は終了とのことですが、来年のタイミングを逃さず貴陽に出会いたい!という方はぜひ、F STANDのSNSで情報をチェックしてみてくださいね。

 

– Information –
F STAND(果物無人販売所)
Web/Instagram/Twitter/Facebook

ライター / 谷井 百合子

会社員からライターへ転向。腰の軽さで興味に乗っかる行動力で、ビジネストレンドやブックレビュー、食や旅にも題材を広げている。 目についた野菜を連れて帰り、レシピをググって調理するのが楽しいこの頃。

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