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食を起点としたコト起こしの舞台裏
2023.08.22. | 

[Vol.3]長野で一番愛される場所「ハマラノーエン」 “農家らしくない”彼らが描くビジョンとは 株式会社ベジパング/ハマラノーエン 柳沢卓矢さん

2023年7月、長野県八ヶ岳に、とうもろこしの収穫体験やビニールハウスでのカフェ体験など様々な「農」体験ができる、体感型農園 「ハマラハウス」をオープンさせた「株式会社ベジパング」。今後の展望や、Yuinchuとのコラボについてどんなプランがあるのでしょうか。前回に引き続き「株式会社ベジパング」を代表して柳沢さん、2020年よりお二人と共に活動してきたMo:takeの小野正視、坂本英文に、「株式会社ベジパング」の今後についてインタビューしました。

Mo:takeとの第2段コラボレーション「直送 生ともろこしプラン」

−−Mo:takeとのコラボレーションについて伺います。今回つくられた、「直送 生ともろこしプラン」について教えてください。

坂本:いたってシンプルなもので、生とうもろこしがケータリングで食べられるというものです。これまでケータリングという形では「ハマラノーエン」さんとはあまりやってきませんでした。でも、コロナ禍も落ち着いてきて、みんなで集まって食事を楽しむという雰囲気が再び盛り上がってきたタイミングで、改めて自分たちらしいケータリングというものを考え直し、本当においしいものをお客さんに届けたいと思ったとき、「八ヶ岳とうもろこし」だと。何しろ僕は、3年前に初めて食べて以来、「こんなに甘いとうもろこしがあるのか!」と、プライベートで毎年注文するほどの大ファン。ケータリングという手法だからこそ、大好きな八ヶ岳とうもろこしの新しいタッチポイントをつくれると思ったんです。そこで、タクくんに「ケータリングのオプションとして生とうもろこしの注文を受けていいかな」と相談しました。

 

−−アレンジせず、とうもろこしそのままでいく、と。

坂本:「八ヶ岳生とうもろこし」はそのままかぶりつくのが一番ですから。ここのとうもろこしって、そのままかぶりつくのが一番。素材勝負ができるので、料理として、ごまかす必要がないので、このままお届けしようと話しました。こんなケータリング会社、他にないですよね(笑)。

 

−−他にない、というのは?

坂本:普通のケータリング会社さんって、サマープランとかキャンペーンみたいなことはやるとしても、今回みたいに、とうもろこしにフューチャーしてそのまんまお届けするっていうことは多分どこもやってない。この先もやらないんじゃないかな。いろんな人に「ハマラノーエン」のことを知ってもらいたくて、それにはこの形が一番だと思います。

 

小野:事業者というか、人にセグメントしてやるっていうのは、ケータリングの業界でも珍しいかも知れません。そういう切り口はなかなかないですね。

 

−−そうなんですね。「直送 生ともろこしプラン」は、どんなプランなんですか

坂本:ケータリングサービスのオプションとしてご利用いただけるプランです。ケータリング当日に合わせて収穫したものをキンキンに冷やした状態で送るので、鮮度は抜群です。

 

「ハマラハウス」が東京にやってくる!?

−−この先、企画されているポップアップがありましたら教えてください。

坂本:「ハマラハウス」をこのまんま東京に持ってきた、みたいなコンセプトでイベントをやりたいなと。それにプラスして、これからもおそらく僕らはお付き合いしていくと思うんで、この先に繋がるポップアップにしたいなと、僕個人は思っています。これタクくんには伝えてなくて、初めて言うんだけど(笑)。

 

柳沢さん:そのまま持ってくる……(笑)。どんな感じなんだろう。

 

坂本:概念的に要素を抽出してね。ここの空間の感じや体験みたいなところを、東京にいながら体験できると楽しいと思うんですよね。

 

−−ベジパングさんとYuinchuが一緒にPOPUPやコラボレーションの取り組みを続けている理由について教えてください。

柳沢さん:Yuinchuさんと出会う前は、自分たちが社会的にどうあるかというのを考えたことがなかったんです。ただおいしいとうもろこしが広まればいいと考えていました。でも、それだけではお金もちゃんと稼げないし、やりたいことは継続できない。やはり、自分たちの存在意義に向き合わない限りは、ただ物質を増やして、それに対しての対価をいただくだけの農家にしかなり得ないと思っていたところに、ちゃんと社会に向き合うという概念を与えてくれたのがYuinchuさんなんです。

僕らは、幼なじみ2人でやってる若い農家ということで珍しがられたり、ブランド野菜をやっていることで、メディアやいろいろなところで注目していただいたりすることが多かったのですが、2年前はなかなか自分たちの言葉でうまく説明できませんでした。そこに、小野さん達チームの方々が都会の第一線で培ってこられた考えやエッセンスを惜しみなく、僕らに教えてくれたことで、今では、自分たち自身の考え方も精査され、社会にこういう取り組みをやっていますと言えるようになってきたと感じています。

 

−−小野さんはいかがですか。

小野:感動しますね。嬉しいです。僕らは、「HAMARA FARM」から「ハマラノーエン」へのリブランディング、そして「ハマラハウス」のリリースまでを伴走してきて感じたのは、僕らが提案したことへの打ち返しが、想像の1.5倍~2倍あるんですね。「ですよね」って言った後の行動が早くて。その通りのことをしてくれることもあれば、それ以上のこともしてくれる。だから、僕らもタクくんらの予想を超えていかなければいけないんです。そうなったときに、東京でのケータリングメニューに八ヶ岳生とうもろこしを導入するという予想外の行動が必要でした。

正直、東京のケータリングに、もろこしをかぶりつくニーズがあるかというと、分かりません(笑)。でも、仮に注文が1件もなくても、「ハマラノーエン」とYuinchuが運営するMo:takeというケータリングサービスで、こういったコラボレーションをした実績が絶対にこれからの僕らを支えてくれると信じています。僕らが予想してないところまで「ハマラノーエン」が連れて行ってくれるっていうところが魅力でしかありません。

 

ワクワクと感動を約束。「ハマラハウス」でしか味わえない夏を

−−最後に、柳沢さんから「ハマラハウス」を訪れる人にメッセージをお願いします。

柳沢さん:自分たちは多分、農家らしからぬスタイルで、農業を十数年やってきました。服装にしてもそうですし、おしゃれなカウンターをビニールハウスに作ること自体が、農家としては、考えもよらないことだと思います。普通はそんなことしないよっていうことを全部覆してやってきた結果がここにあります。

それが今、手前味噌ですが、お客さまに足を運んでいただける施設になっているんです。このあたりはリゾート系の施設や別荘が多く、県外の方が大勢いらっしゃる地域なのですが、「長野の良さを感じながらも、都会的な雰囲気のある、こういう空間が一番欲しかったのよ」とおっしゃるんです。本当にたくさんのとうもろこしを両手に持って。絶対に満足していただけるような感動体験が待っていると思いますので、ぜひ、一度足を運んでみてください。お待ちしております。

 

– Information –

『体感型農園 ハマラハウス』
所在地:長野県茅野市玉川11398
営業時間:7:00~12:00(7月・8月は無休)
9月から土・日・祝日のみ営業※収穫不良や天候による休みの場合を除く
アクセス:最寄駅JR中央本線・茅野駅より、車で約15分。諏訪南ICより車で約10分。
ハマラノーエン公式HP/フェイスブック/インスタグラム

 

ケータリングで「生とうもろこし」を体験する

ライター / 黒澤 真紀

愛媛県生まれ。5年間の都内学習塾勤務を経て、2011年にフリーライターに転身。ウェブや雑誌のインタビュー記事、教材や試験問題の作成や小論文の添削などを担当する。高校生と中学生の息子とのおしゃべりが大好き。

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